明治の男は謝れない
そんな父から届いた詫び状✉
1978年(昭和53年)に発表されたエッセイ
テレビドラマ化もされました
昭和における
日本の一般的な家庭像が描かれています🇯🇵
家族のことを心から愛していながら
NHK放送史より
家の中ではいばり散らしていた父
そんな夫を陰ひなたなく支える母
戦前の庶民の哀感と家族の絆を描いた
向田邦子さんの名エッセイ集
こんな人に読んでほしい
わたしの家族変わってる?そう思うあなたに
うちの家族ってちょっと変?
そう思ってる人実は多くない?
うちの家族って変?
家族ってどうにも歯がゆい
ザラついたその気持ちは
この本で解決です
何気ない日常を圧倒的な表現力で綴るエッセイ
全25話の中に
あなたの家族に当てはまるポイントがありますよ
エッセイの出版経緯から
向田邦子賞についてもご紹介します💁
懐かしいドラマが
たくさん出てくるぞ
この本、ここがすごい
読む人を引き込むやさしい表現
昭和の話は古い?
そんなことありませんよ😌
よくあるわかりやすい言葉が
読む人の心にやさしく響きます
「昭和の街角」
「ご近所さんとの会話」
今日の帰り道に見かけそうな景色に引き込まれます
例えばホラ、
3丁目の夕日みたいな
気づいたらあなたも
その景色の一部になっていますよ
この本を読んで
優しい日本語に触れてみませんか
そして
思い出の景色に色を乗せましょう
本読みでホームドラマを見る感覚
「テレビ台本的」
と解説されているように
本を読んでいるのに
まるでホームドラマを見ているようでした📺
昭和のテレビドラマは「家族」が主役
戦争が終わり
平和な日常を取り戻していった日本
「医師」は「町のお医者さん」👨⚕
「刑事」は「おまわりさん」👮
日常生活に登場する一人でした
令和の今
家族が中心のドラマは少なくなりました
神の手を持つスーパー外科医✨
事件を見事に解決する刑事✨
ほっこりする日常生活は脇役です
だます 奪う 言い負かす
なんでもいいからスカッとしたい人だらけ
でもちょっと待って🖐
あなたにも味わってほしい
読むホームドラマで
やさしい気持ちを取り戻す瞬間を🍵
「父の詫び状について」
あらすじ
物語は、生きたまま届いた伊勢海老を
三和土(たたき)に放すところから始まります
三和土、今は見なくなりましたね
昔の家の玄関には
「土などを叩いて、固めて仕上げた場所」がありました
玄関を汚す伊勢海老を見ながら
子供の頃の、家の玄関での思い出が綴られます
保険会社の支店長をしていた父は
外交員を自宅に招き酒宴を開きます🍶
酔った外交員が
三和土に粗相した吐瀉物を黙って片付ける私🌀
「支店長の家族というものは
こんなことまでしなくては暮らしてゆけないのか」
謝れない明治の男、
父はどう詫びたのでしょうか❓
約10ページのお話に
「家族」が詰まっておるぞ
作品誕生のエピソード
人気脚本家として活躍中に
「乳がん」発見🔍
手術時の輸血が原因で
肝炎を発症してしまいます
更にリハビリ期の絶対安静により
右手に麻痺が残ってしまいました🖐
そんな時に持ち込まれた「随筆依頼」
自分を試すために左手での執筆を決意🖊
そして、2年間の連載後まもなく
「父の詫び状」として単行本化されました
大好評連載だったのね
時代背景 流行りはディスコとサンシャイン60
- 1978年 文藝春秋より出版
- ディスコブーム
- 超高層ビル「サンシャイン60」開業
- 愛は地球を救う「24時間テレビ」の開始
ディスコブームの火付け役は
サタデーナイトフィーバーという映画よ
高度成長期を少し過ぎた頃ですが
世の中は明るい話題が多いですね✨
向田邦子先生について
生まれた年は世界大恐慌
- 1929年(昭和4年)11月28日生まれ
- テレビドラマ脚本家
- エッセイスト
- 小説家
- 第83回直木賞受賞
- 1981年8月22日
取材旅行中の航空機墜落事故にて死去 (51歳没)
お父さんは転勤族
鹿児島,香川,仙台,東京と
転々としたそうよ
1929年の世界大恐慌から戦争へ
大変な時代じゃったな
代表作 寺内貫太郎一家
「寺内貫太郎一家」
1974年 TBS系列水曜劇場枠
昭和の家庭を描いたテレビドラマです
頑固おやじを演じたのは小林亜星さん
すぐにちゃぶ台をひっくり返すイメージは
このテレビドラマの影響も大きいんですよ
さて次は、
向田邦子賞のお話です🏅
向田邦子賞とは?
東京ニュース通信社(TVガイド創刊)主催
現在のテレビ界を支える
優秀な脚本作家に贈られる賞です🏅
1982年10月に制定されました
テレビドラマの脚本家として
活躍された功績を讃えて制定されました
お笑い芸人のバカリズムさんも
受賞しているのよ🏅
何に贈られるの?
毎年4月1日~翌年3月31日までに放送された
テレビドラマの脚本に贈られます🏅
いつ決まるの?賞金は?
毎年4月上旬に選考委員会を開き
前年度の作品を選考して発表します
特製万年筆と
300万円が贈られるぞ
歴代受賞作品はみんな知ってるドラマ
歴代受賞作を抜粋しました
よく知られているドラマばかりですね📺
1994年 | 鎌田敏夫 | 29歳のクリスマス | 山口智子 |
1996年 | 大石静 | ふたりっ子 | 岩崎ひろみ |
1998年 | 野沢尚 | 眠れる森 | 中山美穂 |
1999年 | 北川悦吏子 | ビューティフルライフ | 木村拓哉 |
2012年 | 中園ミホ | ドクターX~外科医大門未知子~ | 米倉涼子 |
懐かしい…
2021年の受賞作は
吉田恵里香さんの
NHK夜ドラ「恋せぬふたり」に決定したぞ
(2022.4.15発表)
最後にご紹介「あだ桜」
ここまで、「父の詫び状」のお勧め情報と
作者について読んでいただきました
最後に「あだ桜」をご紹介します🌸
11話「あだ桜」の話の中に
向田邦子さんの性格が描かれています
大事なことは後回しにしてしまう性格
宿題をも後回しにしてしまい
父に怒られた姿を見ていた祖母は
ある歌を教えてくれました
親鸞の歌を教わったそうよ
「明日ありと 思ふ心のあだ桜
夜半に嵐の 吹かぬものかは」
〜世は無常明日もあると思っていると
桜の花が一夜の嵐で散るように
機会を失うことになる〜
コトバンクより
ここから先は
寺内貫太郎一家にも出演していた
樹木希林さんとのエピソードです
「台本が遅い!」
としびれを切らした樹木希林さんが
「話の筋だけでも考えてくれたら
あとはこちらでなんとかするから」
と、怒りの電話をしたそう📞
子どもの頃、
祖母が教えてくれた「あだ桜」
大人になっても
まったく身についていないと反省する姿に
クスッと笑ってしまいました🌸
今日はここまで
明日読んでみようかな📖
そう思っていたら
明日は「あだ桜」かもしれませんよ🌸
1行でもいいから
今日読んでもらえたら嬉しいです😌
読んだ本で心は作られる
そう信じています
「今日はここまで」です
笑顔で一日が終われますように✨
読んでいただきありがとうございました😄