誰だって、気持ちよくなりたい
自分が想像できる
新潮社サイトより
“多様性”だけ礼賛(らいさん)して
秩序整えた気になって
そりゃ気持ちいいよな―
礼賛(らいさん):崇め讃える
多様性を礼賛して
秩序を整えた気になる…
混乱しそうになる紹介文ですが
少し待って下さい
まずは
分かりやすい切り口から
紹介するぞ
多様性の前に人間の欲求を思い出して
人間の3大欲求って
知っていますか?
そう、人間の3大欲求は
食欲・性欲・睡眠欲です
欲求とは
明日を、
明日からを生きるために必要なもの
食べるから、繋がるから、眠るから、
その欲求が満たされることで
生きていける
甘いもので満たされる人や
辛いもので満たされる人がいるように
欲求の満たし方はそれぞれですよね
でもその満たし方が
絶望的に、誰にも認められない方法であり
しかも犯罪だとしたら…どうしますか❓
そこに多様性は認められますか?
この質問、
最後まで忘れるでないぞ
この本をひと言で
多様性の価値観が揺らぐ本
読了後の放心時間に
価値観がグラグラと揺れます
正しいと思っていたこと
いかにそれが
自分よがりだったか・・・
多様性はいいことだ
みんな違ってみんないい
そう思っていませんか?
私もそう思っていました
でも、この本を読み進めるにつれて
多様性に関する自分の物差しの目盛りが
どんどん歪んでいきました📐
読む前の自分には戻れない
覚悟して読む本じゃ
でも私は読んだことを後悔していません
そして、
読む前の価値観に戻ってはいけないと
強く思っています
揺らいでもいい
そもそも価値観は
独りよがりのものだから
あらすじと登場人物のまとめ
あらすじ
あるパーティのメンバーが
児童ポルノで摘発された📸
メンバーの共通点とは「児童性愛」か?
児童ポルノ=児童性愛なのだろうか
物語は
摘発事件とは全く無関係と思える
3人の視点を中心に進みます👁
そして
多様…いや、個性的な人物たちが
徐々に繋がり始めます
そう、「正欲」で。
本書中に終始横たわる
多様性という概念
無関係に思える人たちが
到底認められない欲で繋がったとき
読み手は救われるでしょうか
それとも、絶望を感じるでしょうか
登場人物のまとめ
寺井啓喜(ヒロキ):検事
とても真面目な検事さんよ
- 由美: 妻元看護士 専業主婦
- 泰希(タイキ):息子 不登校児 5年生
- 富吉彰良(アキラ):不登校児 5年生
- 右近一将(ウコン カズマサ):NPO団体員
- 越川秀己:啓喜のペア検事 30代前半
- 藤原悟:蛇口盗難事件の犯人
桐生夏月:ショッピングモール寝具店員
睡眠を提供するお仕事じゃな
- 那須沙保里:モール内雑貨屋副店長
- 脇元:雑貨屋のアルバイト
- 西山修・亜依子:夏月の中学同級生
- 佐々木佳道(ヨリミチ):転校していった同級生
神戸(カンベ)八重子:大学祭実行委員
ミスコンに疑問を感じる
女子大生よ
- 八重子の兄:大学卒後地銀就職 引きこもり
- 久留米よし香:八重子の大学友人
- 桑原沙矢:大学祭実行委員 2年生
- 高見優芽:ダンスサークル代表
- 諸橋大也:ダンスサークル渉外担当
朝井リョウ先生について
桐島、部活やめるってよ
有名じゃな
- 1989年岐阜県生まれ 小説家
- 2009年「桐島、部活やめるってよ」
第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー - 作家生活10周年を記念した長編小説
「正欲」で 第34回 柴田錬三郎賞 受賞
「正欲」あなたを救う名言3選
この世のすべては、明日生きたい人のためにある
「長生きしたい」よりも
もっとそばにある欲求
「明日死にたくない」
この気持ちを前提に作られた世界には
色んな情報が溢れています
明日死んでもいい人は
痩せたいとは思いません
健康もお金も欲しくない
じゃあ、生きるってなんだろう…
人と繋がり
認められる事、かな…
生きるために人間に備えられた欲は3つ
そう、食欲、性欲、睡眠欲
これを満たすことが
まずは生きることに繋がるのではないか
食べた先に、何がありますか 結ばれた先に、何がありますか 眠った先に、何がありますか
読んでいるうちにきっと
色んな欲で混乱してしまうはず
でも大丈夫
「価値観が揺らいでも考えること」
それがこの本の魅力でもあるから
その先には
きっと明日がある
大丈夫じゃ
キチガイと多様性の違い
多様性という言葉に
救われたのは誰か
救われなくなったのは誰か
多様性って、
人種性別年齢国籍…だけかな
想像の外にある
到底認められないものを認める勇気
ありますか
あなたの大嫌いなものを
大好きだと言う人がいる現実
キチガイという差別的な言葉は
あなただけが持つ
あなただけのモノサシで測ったもの
普通だと信じていた自分が
世間ではキチガイだったら…
どうしますか?
多様性ってそういうことかも
しれませんよ
認めてあげる側に
立っていないか…?
生まれ持ったオプションに本体ごと壊される
見た目も心も欲求も
何一つ同じでない人間
それなのに
マジョリティという川の
こちら側とあちら側で
少数派を隔てようとする
当然その少数派の中でも
同じような隔たりが生まれる
隔てるものは何か
個性というオプションかもしれない
私たちは
自分自身というものを
自分らしく生かしていくために
個性というオプションを持って
生まれてくるのかもしれません
私の個性は
私を活かすものなのかな…
そのオプションが
本体を壊すほどの暴走をし始めたら…
この本を読むことで
個性を捉える新しい概念に出会えます
読み方のアドバイス
いつも自分の価値観を疑いながら
読んで下さい
辛くても考え続けよう
理解されない欲の満たし方がある
それだけは忘れないで読んで欲しい
正しいと信じていた価値観が揺らぐのは
とても怖いことです
でも大丈夫
明日も、明日からも生きていく私たちは
考える生き物だから
考え続けることが救いになると
信じています
犯罪解釈の裏にある「正欲」
児童ポルノは歪んだ小児性愛
万引き常習者はクレプトマニア(窃盗症)
次々起こる犯罪を
報道という形で知る時には
すでに誰かの解釈が加わっています
本当の動機が歪められた状態で
報道されていたとしたら…
明日目にする報道を
どうか歪みのない目で見て下さい
それがきっと
この本を読んだ証になるから📖
多様性の外にいる人の存在がある
検事という仕事柄
様々な犯罪者と接する寺井啓喜(ヒロキ)
彼の言う
「ルートの内側」に生きることの意味は
本当の意味で人間を救うのでしょうか
ルート(円)の内側にいる人は
犯罪率が低いのだと啓喜は言います
息子が不登校という形で
ルート(円)の外に出そうになる
啓喜の言うルートの内側も
彼のモノサシで測ったものです
外側から見たら
内側が外側かもしれません
今日はここまで
こういう本に出会えるから
読書はやめられない
そう思いました
読んだ本で心は作られる
そう信じています
「今日はここまで」です
笑顔で一日が終われますように✨
読んでいただきありがとうございました😄