人工親友はおとぎ話ではない
クララとお日さまは
子どもに読み聞かせる
おとぎ話ではありません
ディストピア?
違います🙅
ディストピアとは
産業革命後に発達した
機械文明などよ
AI?
違います🙅
ここで言うAIは
コンピューター(計算機)のことじゃ
生きることの意味を問う感動作。
クララとお日さま カバーより
愛とは、知性とは、家族とは?
いつかきっと
人工親友を持つことが
当たり前の世界が来る
その前に読んでおくべき
大切な1冊です📖
まず、
登場人物とあらすじを紹介します
登場人物とあらすじ
登場人物
- クララ 旧型の人工親友(AF:ArtificialFriend)
【ジョジー家】 - ジョジー 14歳半の少女
- クリシー ジョジーの母
- サリー ジョジーの姉
- ポール ジョジーの父
- メラニア 家政婦
【リック家】 - リック ジョジーの幼馴染
- ヘレン リックの母
- カパルディ 肖像画家
ジョジーとリックは
幼なじみじゃ
次は、
あらすじよ
あらすじ
舞台は近未来のNYを思わせる都市
子どもは学校には通わず
ガジェットを使い
自宅で教育を受ける社会👩💻
人間同士の交流が少ない子どもたちは
人工親友(AF)と呼ばれる
ロボットを買い与えられます
校庭で友だちと遊ぶことが
なくなる日が来るかもしれんな
旧型AFのクララが
ジョジーの相手に選ばれます
そして、
一緒に暮らすようになりますが
ジョジーの体調は
次第に悪化していきます😷
- クララが選ばれた本当の理由とは?
- ジョジーを助けたいクララが取った行動とは…
なんとなくわかったかな?
さぁ、次はひと言で紹介じゃ
この本を一言で
人工親友が映し出す、近未来の格差社会
この本の主人公は
クララという人工親友じゃったな
人工親友とは
人工知能搭載のロボットよ
これは、
クララの目線で語られる物語です
つまり、ロボットの目線です
それゆえか
読み手の感情を激しく揺さぶる表現は
出てきません🙅
「悲しい」ではなく
「悲しみを感じる」と書かれています
感情と自分を
別の存在と捉えているのです
少したどたどしくて、
冷たい口調でもあるの
しかし、ロボットであるクララに
太陽信仰の一面があることで
人間的な部分も描かれています
ある理由から、
クララはお日さまの力を
とても強く信じているんじゃ
「ジョジー」という少女に
献身的に仕えたクララ
迎える結末は
感動的でもあり、悲しみも感じます
ハッピーエンドとは何か
あなたなりの結論を見つけ出してください
次は、
この本をオススメする理由です
この本をお勧めする理由
2つの格差
本書の舞台は
🙅イギリスではなく🇬🇧
🙆アメリカとされています🇺🇸
自由で平等な社会であるはずのアメリカで
2つの格差が広がっています
これは、日本の未来においても
無関係とは言えない格差なのです
2つの格差が出てくるぞ
まず、1つ目の格差です
向上処置(ゲノム編集)による人間の格差
遺伝子操作のお話じゃ
遺伝子操作を
「向上処置」と呼びます
裕福な家庭の子どもは
向上処置を受けて大学へ進学します
向上処置を受けない子どもは
上層階級への道は閉ざされます
向上処置を受けたジョジーと
未処置である幼馴染のリック
二人の間にできた
超えられない壁
そして、向上処置は副作用を伴います
病が生じる可能性を含んでいるのです
上層階級への道を歩ませるために
危険を承知で
わが子に処置を受けさせますか?
次は、
2つ目の格差です
旧型AFと新型AFの格差
AFとは人工親友のことじゃよ
主人公のクララは
人工親友だったわね
クララは
B2と呼ばれる旧型のAFです
旧型のAFには嗅覚がないとされています
一方新型とされるB3のAFには嗅覚もあり
運動能力もB2より優れています
AFにも格差があるのです
そしてそれは
AFを所有する子どもたちの格差に繋がります
ブランド品の自慢に
似ているのかも…
学校に通うことがなくなり
自宅での遠隔教育がメインの社会では
情操教育の一つとして
ホームパーティが開かれます🎂
向上処置を受けた子どもたちに
社会性を身に付けさせるためです
持ち回りで
交流の場を用意するんじゃな
そのホームパーティーで
ジョジーのAF(クララ)について
差別発言が出ます
新型も買えたのに、
どうして旧型を買ったの?
俺の新型は宙返りもできるんだぜ
ジョジーのAF、クララは旧型です
友人の格差発言に
ジョジーはなんと答えるでしょうか
人の世界でもAFの世界でも
格差ってなくならないのね
次は、
本の紹介じゃ
この本について
発売国 英国・米国・日本 同時発売
発売年 2021年3月初版
全433ページ
6部構成です
長編じゃな
著者について
カズオ・イシグロさん
- 1954(昭和29)年11月8日生まれ
- 小説家
- 長崎県出身
- 両親ともに日本人
- 父は海洋学者
- 1989年「日の名残り」で
ブッカー賞(英語圏最高の文学賞)受賞🏅 - 2017年 ノーベル文学賞受賞🏅
カズオ・イシグロさんの誕生年から始まったゴジラ
1954年には
どんなことがあったのかしら
- 遠洋マグロ漁船 第五福竜丸
米国の水爆実験により被ばく🛳 - 映画「ゴジラ」シリーズ第1作公開🎬
Wikipediaより引用
海洋学者を父に持つ
カズオ・イシグロ氏
海洋学者とは
海を対象に研究する人じゃ
米国の水爆実験に着想を得た
「水爆大怪獣ゴジラ」公開の年に
カズオ・イシグロさんは生まれました
ゴジラに
心はあるのかしら…
ノーベル文学賞受賞「カズオ・イシグロ」と「村上春樹」の違い
猪瀬直樹さんは
こう言います
村上春樹の作品は
閉じた世界で「私」を追い求めている
カズオイシグロの作品は
「公(政治)」の時間が流れている
どちらが良くて
どちらが良くない
そういう発言ではないぞ
1989年にブッカー賞を受賞した
「日の名残り」は
執事と女中頭の恋の話です📖
舞台は第二次大戦前のイギリス🇬🇧
ナチスの高官も登場します
クララとお日さまは
政治的なお話ではありませんが
近い将来、
高確率で起こり得る格差社会の中で
愛とは 生きるとは 家族とは
を問う作品です
ぜひ、「公の時間」を意識して
クララとお日さまを読んでください📖
猪瀬さんは
石原慎太郎さんに仕えておったな
どちらも
作家であり政治家じゃな
今日はここまで
読んだ本で心は作られる
そう信じている私ですが
人工親友には心があるのか?
何度も何度も自分に問いかけました
この問いに正解はないけれど
自分への問いを繰り返しました
「今日はここまで」です
笑顔で一日が終われますように✨
読んでいただきありがとうございました😄