「母という呪縛 娘という牢獄」齊藤 彩

「もう、ちょっと、
 やっていくの無理やな」

家族にこう思ったことは
ありますか?

高校卒業後
9年の浪人生活を強いられ
31歳で母を殺害した娘

拘置所から刑務所へ移送されながらも
著者と続けた往復書簡📝
そこからこの一冊が生まれました📖

一つ一つの言葉が刺さります
読みながら
心を握りつぶされる
ような感覚

家族について
親子について
母について
娘について

どうか考えてみてください

ゆうこ

それでは
本の紹介に入ります

目次

母という呪縛 娘という牢獄

  • 著者 齊藤 彩(さいとう あや)
    1955年東京生まれ
    共同通信社の司法記者を経て
    2021年退職
  • 発行所 講談社
  • 発行日 2022年12月16日
  • 全288 ページ
  • 定価:1,980円(本体1,800円)
ゆうこ

齊藤さんは
北海道大学 理学部
地球惑星科学科卒業よ

本の声

札幌市北区にある大学で
地球とは何か」について
研究している学部じゃ

ゆうこ

それでは
あらすじを紹介します

あらすじ

モンスターを倒した。
 これで一安心だ。

1/20 午前3:42
母を殺害し、
Twitterに投稿した

この投稿は、
のちに大事件へとつながる…

自宅から370メートル先で
両手両足頭部のない遺体が発見された

それは、
あかり(仮名)のだった

20年以上前に夫とは別居しており
娘の「あかり」と
二人暮らしだった

だがこの母娘、
異様な生活をしていた…

母と娘は高校まで
一緒に風呂に入っていた🛁

そして
9年もの浪人生活を送っていた


なぜ?ってそれは全て
医学部へ進学するため

結局医学部には合格できず
看護学校へ進学し
31歳にして
看護士として初めて就職した
「あかり」の半年の行動は…

  • 1/20 未明 母を殺害
  • 2/18 看護士国家試験受験
  • 2/25  父の誕生日
  • 3/10 遺体発見
  • 4/1  看護士生活スタート
  • 5/17 身元判明
  • 6/5 遺体遺棄で逮捕

母を殺害後も
あかりは看護士として
勤務を続けていた🏥

一審では
母の殺害を認めなかったあかりが

二審で大粒の涙を流し、
殺害を認めた



もう嘘をつくのはやめよう

あかりの心を動かした
父の言葉とは

殺人事件の背景にある
母娘の相克に迫った
第一級のノンフィクション

本の声

ノンフィクションなんじゃよ
この話は…

ゆうこ

次は、
あかりと母のやりとり
紹介します

母娘のライン

母からのライン

ゆうこ

あかりが
母から受け取ったラインには
特徴があります
それは…

感嘆符(!)と
敬語が多い

感嘆符や敬語を多用した
言葉のやりとりは
受け取る側に
威圧感を与えることが多いとされます

ゆうこ

母からあかりへの
LINEの言葉です

「母は憎み続けます!」

「帰るとこがないので
 今夜も仕方なく
 帰ってくるのでしょうが
 はっきり言って
 帰ってほしくなどありません」

本の声

母親から
こんなLINEが届いたら
あなたはどう思うかね

威圧的なラインが届くたび
娘の精神は破壊されていったのです

母へのライン

ゆうこ

みなさんは
こう親に聞いたこと
ありますか?

「今から帰らせて
いただきたいのですが」

娘が母に
帰らせていただきたいと
お願いする

こんな家庭は
珍しいのではないでしょうか

ほとんどの人は
毎日当たり前のように
家に帰っているでしょう

Depositphotos

でも、
あかりはそうではなかった

「お母さんに
 穏やかな毎日を送ってもらえるよう
 とにかく波風を立てないように
 暮らしてきました」

あかりは
置き手紙にこう記し✒
家を出ます🏠

母にとって
とにかく穏やかな生活を願った娘

そんな娘の心は
穏やかだったのでしょうか💬

警察・検察の揺さぶり

響かないあかりの心

ac-illust

状況証拠の全ては、
あかりによる殺害を示しています

しかし、
あかりは認めません🙅

そんなあかりから
自白を引き出すために

警察や検察は
あの手この手のお涙頂戴話で
あかりに迫ります👮

あかりと母の
旅行写真を引き合いにだし
あかりに語り掛けます📷

フォトブック



「お母さんは
 思い出の写真を大事にしていたんだね」 

しかし、
あかりの心には響きません

なぜなら母はその旅行を
時間と金の無駄だった
言い切っていたからです

ゆうこ

飾ってあるのは
「罰」だったと
あかりは言います

本の声

悲しいことじゃな

どちらかが
死ななければ
終わらなかった

ゆうこ

娘にここまで思わせた
母の言動は、愛か執着か

本の声

母亡き今は、
知る術はないんじゃ

嘘をつくことには慣れていた

そんなあかりが殺害を認めたのは
父の一言だった

家族だから

あかりを苦しめ続けた
「家族」という言葉が
救いの言葉として
戻ってきたのです

ゆうこ

最後に
あかりが望んだこと
紹介します

娘が最後に望んだこと

母のいない人生を
生きる

あなたのためを思って

この言葉の裏には
相手を自分の思い通りにしたい
という気持ちが隠れています

医学部に入ることは
あなたのため」なのよ
そう言われ
9年もの浪人生活を強いられたあかり

父と息子
父と娘
母と娘
母と息子

どれが簡単でどれが難しい
そんな話ではありません

昨今の親子関係は
非常に複雑
です

家庭が閉鎖された空間となり
他人からは見えにくくなった家族の中で
悲しい事件が起きることが
多くなっているように思います

とても辛いノンフィクションですが
どうか目をそらさずに
読んでほしい1冊です📖

今日はここまで

読んだ本で心は作られる

今日はここまで」です
笑顔で一日が終われますように✨

読んでいただき
ありがとうございました😊

本の声

こちらの記事も
親子関係に深く言及しておるぞ

ゆうこ

ぜひ読んでください!

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